水中毒

インターネットを漂うデブリ

神ゲーの名、Dragon age:origins

おみずです。

オタクなので好きなゲームの話してえなあ!と思って書いてます。

ドラゴンエイジオリジンズっていうゲームです。


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何を語るより先に言っておきますが、このゲームはめちゃくちゃ人を選ぶと思うんですよね。

このゲームの何がすごいのか?

っていう長所であり最大の魅力と言える部分でもあるのですが、半端じゃないくらいテキスト量が多いんですよ。

コナン全巻ぶんくらいある。

だから『そもそも文を読むとか考察とかめんどくさい』って人はマジでクソほど面白くないと思います。

 

このゲームはざっくり言ってしまえばダークファンタジーの世界観のRPGなんですけど、設定が超細かいんですよ。

前述の通りめちゃくちゃな文章量で作中の歴史とか用語とか設定してある。

 

スターウォーズって映画シリーズがあるじゃないですか。

スターウォーズって現在8作出ていて、世界中の人々を魅了して止まない名作なのですが

スターウォーズが世界中の人間を魅了するのは、この作品の世界を味付けする「設定」が本当に細かく決められているからだと思うんですよ。

画面に映るあらゆるものに設定がつけられていて、それが多くの人を惹き付ける魅力になっている。

 

例えば戦闘機同士の戦闘シーンひとつとっても、操縦しているパイロットの名前は◯◯、元々敵軍のパイロットだったが反乱軍の◯◯に助けられて…

みたいに表に出ないような設定がちゃんとある。

乗っている戦闘機は◯◯社が開発した◯◯で…

って、興味を持って調べなければ本当に一生知ることのないようなことまで設定されている。

ライトセーバー戦にしたって、そもそもライトセーバーとは…みたいなところから設定があるんです。

そうした細かな設定が世界を彩っていて、それを理解することでより物語の世界に入っていける。

設定をひっくるめて「世界観」ですよね。

スターウォーズは世界観を作るのが抜群にうまい。だから愛されている。

 

Dragon age:originsを端的に表すなら、そういうゲームです。

 

ゲーム自体は本当に王道のダークファンタジーなんです。

地下で眠っていた強大な敵が目覚めた!

そいつが魔物の軍を率いて地上に攻めてくる!

なんとかしねえとやべえ!

世界を回り、軍を組織して集めて敵を打ち破れ!

っていう、それだけの話なんですよ。

これを本当に胃もたれするくらいの『設定』で味付けしてある。

 

例えば、仲間にする勢力のひとつに「サークル・オブ・メジャイ」という魔術師の勢力があるんですけど

このメジャイたちはほとんど監禁と言っていい状態にあるわけです。

この世界では魔法は危険なものとして「教会」の監視下に置かれていて、「テンプル騎士」がその監視の任を負っているんですね。

テンプル騎士は「リリウム」と呼ばれる物質を摂取することで魔法に対する耐性を高めているんですけど、リリウムには中毒性があって…

って、たったこれだけ語るだけでもめちゃくちゃ単語出てきましたね。

完全にパルスのファルシのルシがコクーンでパージですね。

 

最初はこのごちゃごちゃした設定が本当にクソうるさくて、わかんねえよ日本語で話せ!ってなること必至、僕もそう思いました。

でも、理解を深めるにつれ、この世界の事がだんだんわかってくる。

そこに楽しさがあるんです。

 

先程の例をもう一度取り上げると、メジャイはなんで監禁されているんだろう?

こんなにいいやつらなのにかわいそう!って最初に思ったんですね、僕は。

反対にテンプル騎士は高圧的だったり差別的だったりでめちゃくちゃ嫌な奴らだなぁと思いました。

 

でも、魔術師が危険視されている理由を物語の中で目の当たりにするわけですよ。

「魔術師は危険」という「世界観」の設定を自分で体験することになるんですね。

メジャイが起こした事件をテンプル騎士が必死で収束しようとするのを目撃する。

 

そんなのを見てしまったら

「やっぱ魔術師やべえやつらだな!納得だわ!メジャイを仲間にするのはやめてテンプル騎士を仲間にしたほうがいいかもしれない!」

ってなるじゃないですか。

 

でも「設定」を掘り下げていくと、そもそもテンプル騎士を操っている「教会」が魔術師を弾圧しなければこんなことにはならなかったんじゃないのか?

メジャイたちは解放されるべきなのでは?

って、「設定」を踏まえた自分なりの意見が出てくるんですね。

自分が本当にこの世界の住人であるかのような思考をするようになってくる。

そもそもなぜメジャイは弾圧されるに至ったのか?

掘り下げていくと「魔術師は過去にとんでもないことをしでかしているから弾圧されているんだな」、って「設定」に対する理解が深まり、それに基づいて自分の意見が定まっていく。

そうして考えて結論を出し、行動に移さなければならない。

 

メジャイを仲間にするのか?こんな危険なやつらを仲間にしていいのか?

じゃあテンプル騎士を仲間にするのか?本当に信用できるのか?

きちんと自分で考え、あぶねえしメジャイ滅ぼすか!ってなるもよし

やっぱりテンプル騎士嫌いだ!教会の犬がよ!ってなるもよし。

ゲームの一部として、自分で考えた結果で物語が動いていく。

 

これが抜群にうまいんですよ。このゲーム。

没入感と言いましょうか、プレイヤーをゲームの中に引きずり込むのがうまい。

TRPG的と言ってもいいかもしれないくらいにプレイヤーの思考、人格がゲームに影響を及ぼしていく。

本当にゲームの中にいるみたいになるんです。

 

「自分の分身としての主人公」っていうのをここまで意識したゲームは他にないかもしれません。

例えばスカイリム的な「どこへでも行けます」みたいな自由度ではないんですけど、「ごっこ遊び」としての、本当の意味でのロールプレイの自由度は本当に高いゲームです。

恋愛だってできます。同性愛もいけちゃう。本当に自由です。この恋愛要素も魅力の一つ。

 

ヒロイン的存在にモリガンっていう魔女がいるんですけど、めちゃくちゃブスなんですよ。


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モリガン

 

このモリガン、ブスな上に超皮肉っぽい嫌な女なんですけど、旅を共にするにあたってモリガンという人間の本質が見えてくるんですね。

モリガンという人間を形作る「設定」がちゃんとあって、一緒に冒険する中からそれを読み取っていくとモリガンの魅力に気付くんですよ。

 

第一印象はこいつと冒険すんの嫌だなぁ!くらいの最悪なものだったんですけど、いつのまにかモリガンに惹かれている自分がいました。

本当にいつの間にか口説いてました。

それをモリガンが受け入れてくれた時の、あの満ち足りた気持ちは現実の恋愛にも引けをとらないほどの喜びを僕に与えてくれました。

あの瞬間、間違いなく僕は主人公で、モリガンと共にあの世界を歩み始めたのです。

ドラゴンエイジはそんな素敵な体験を与えてくれる。

 

でも今見たら超ブスだなモリガン

なんで俺こいつを口説いたのか意味がわからない。

すげえ好きだったのにめちゃくちゃ冷めた目でモリガンを見てる。今。

あんなに好きだった元カノを久しぶりに見たらめちゃくちゃ気持ちが離れていた時の気持ち。今。

 

いいゲームは終わった後にも何かを残してくれるものです。

ドラゴンエイジは「めちゃくちゃハマってた女に冷めた時の気持ち」も与えてくれる。

この素晴らしいゲームを是非やりましょう。

 

をわり。